中島敦の名人伝

妙な契機で自宅兼事務所の壁紙を全て張り替えることにした。分譲マンションで可もなく不可もない白系の壁だったのが面白くなく、イタリアの壁紙を買ってきて、部分的に自分で貼ったりしていた(自分でも想定外にきれいに貼れ、驚いた)。そんなこんなの中、より色彩を求めることにした。

で、今週は職人さんが来て順次、張り替え作業を進めてくれている。それは良いのだが、荷物を全て片付ける必要に迫られた。本の類はほとんど実家においてあるのだが、それでも少しずつ増えた本や書類があふれている。一気に小手先のビジネス書は処分しよう(もちろんドラッガーは置いておく)。

加えて以前のユニホーム=背広も少しずつ処分してきたのだが、未だ捨てきれずに場所をふさいでいる。この数年間、背広を着ることは無かったのだから、この先も不要だろう。と思うには思うが・・そこで標題の名人伝。

敬愛する中島敦の掌編だが中学時代に読んで、かくありたい?と思った作品だ。弓の名人が修行を重ね、弓を用いず鳥を落とすのみならず、その後の漠とした修行を経て弓の存在すらも忘却してしまうという話だが(と思ったが)。

僕も同様にきちんと見える(はずの)背広や経営理論などというお手軽な武器を意識せず、異次元のステージにステームホールダとともに在りたいと強く望む今日。